Avaya IP 電話向けの DHCP オプションの設定
Sophos Firewall を DHCP サーバーとして設定し、DHCP オプションを追加して DHCP クライアントに設定パラメータを渡すことができます。
はじめに
DHCP オプションを使って、DHCP クライアントに設定情報を提供できます。具体的には、DHCP メッセージのオプションフィールドにデータ項目およびタグを指定することで、設定パラメータやその他の制御情報を伝えることができます。これらのデータ項目は、DHCP クライアントのベンダーが指定するオプションに対応しています。
たとえば、Sophos Firewall を DHCP サーバーとして設定してから、SIP サーバーの IP アドレスおよび追加情報を IP 電話に渡すように指定することができます。
Sophos Firewall は、指定の DHCP オプションすべて (1~255) をサポートしています。オプションの全リストについては、DHCP オプションを参照してください。Sophos Firewall は、以下の規格をサポートしています。
- RFC 2131: DHCP オプションと BOOTP ベンダー拡張
- RFC 2132: Dynamic Host Configuration Protocol (ダイナミックホスト設定プロトコル)
この例では、Avaya デバイス (SIPサーバー) および IP 電話を使用します。DHCP オプション 176 および 252 を設定し、Avaya および TFTP サーバーに対応するようにします。
SIP サーバーと電話
ネットワークの詳細は以下のとおりです。
- WAN IP アドレス:
203.0.113.1
- DHCP サーバーのインターフェース:
192.168.30.1
- SIP サーバー:
192.168.30.99
- TFTP サーバー:
192.168.30.102
- SIP 電話:
192.168.30.3
~192.168.30.98
DHCP サーバーの設定
Sophos Firewall を DHCP サーバーとして設定し、DHCP クライアント (IP 電話) にリースする IP アドレスを指定します。
- 「ネットワーク > DHCP」の順に選択します。
-
名前を入力します。
この例では、
IPPhone_DHCP
を使用します。 -
「ダイナミック IP リース」に入力します。
この例では、以下の IP アドレスをリースします:
192.168.30.3
~192.168.30.98
Sophos Firewall を DHCP サーバーとして設定する方法について詳しくは、Sophos Firewall を DHCP サーバーとして設定する方法を参照してください。
次に例を示します。
-
「保存」をクリックします。
DHCP オプションを設定する
この例では、DHCP オプション 176 を定義し、DHCP サーバーの設定にバインドします。また、このオプションを Avaya SIP サーバーおよび TFTP サーバーにバインドし、SIP サーバーに電話を登録するための通信ポートを指定します。DHCP オプションは、以下の方法で設定できます。
- Web 管理コンソール
- CLI
- 「ネットワーク > DHCP」の順に選択します。
- IPPhone_DHCP サーバーの「編集」 をクリックします。
- 「DHCP オプション」に移動します。
-
オブジェクト 176 を DHCP サーバー IPPhone_DHCP の設定にバインドし、SIP 登録ポートおよびサーバーを指定するには、以下のように入力します。
設定 値 オプション カスタム コード 176 種類 文字列 値 MCIPADD=192.168.30.99,MCPORT=1719,TFTPSRVR=192.168.30.201 「値」フィールドに入力した文字列によって、以下のパラメータが設定されます。
パラメータ 値 説明 MCIPADD 192.168.30.99 Avaya IP 電話を登録するための Avaya コールサーバーの IP アドレス。
この例では、SIP サーバーが IP 電話を登録します。MCPORT 1719 Avaya IP 電話の登録には、Avaya コールサーバーのポート 1719 がデフォルトで使用されます。
カスタムポートを使用する場合は、Avaya サーバーで設定する必要があります。TFTPSRVR 192.168.30.201 TFTP サーバーのアドレス。IP 電話のファームウェアの自動アップグレードのために接続します。
アップグレードは、電話が現在のファイルよりも新しいバージョンの設定ファイルを受信したときに実行されます。 -
以下のように入力して、DHCP オプション 252 を追加します。
設定 値 オプション カスタム コード 252 種類 文字列 値 ConfigHttpSrvr=192.168.30.102 -
「保存」をクリックします
- コマンドラインコンソールにサインインし、「4」と入力して「デバイスコンソール」を選択します。
-
DHCP オプションのリストを表示するには、以下のコマンドを入力します。
system dhcp dhcp-options list
注
1~76 のオプションのみが表示されますが、255個のオプションオブジェクトすべてがサポートされています。
-
IP 電話の DHCP オプション 176 を追加するには、以下のコマンドを入力します。
system dhcp dhcp-options add optioncode 176 optionname iptelephone optiontype string
-
オブジェクト 176 を DHCP サーバー
IPPhone_DHCP
の設定にバインドし、SIP 登録ポートおよびサーバーを指定するには、以下のように入力します。system dhcp dhcp-options binding add dhcpname IPPhone_DHCP optionname IPTelephone(176) value ‘MCIPADD=192.168.30.99,MCPORT=1719,TFTPSRVR=192.168.30.201’
パラメータ 値 説明 MCIPADD 192.168.30.99 Avaya IP 電話を登録するための Avaya コールサーバーの IP アドレス。
この例では、SIP サーバーが IP 電話を登録します。MCPORT 1719 Avaya IP 電話の登録には、Avaya コールサーバーのポート 1719 がデフォルトで使用されます。
カスタムポートを使用する場合は、Avaya サーバーで設定する必要があります。TFTPSRVR 192.168.30.201 TFTP サーバーのアドレス。IP 電話のファームウェアの自動アップグレードのために接続します。
アップグレードは、電話が現在のファイルよりも新しいバージョンの設定ファイルを受信したときに実行されます。 -
以下のように入力して、DHCP オプション 252 を追加します。
system dhcp dhcp-options add optioncode 252 optionname iptelephone optiontype string
オブジェクト 252 はプライベート用に予約されています。この例では、HTTP サーバーの IP アドレスとして SIP サーバーのアドレスを指定します。
-
オブジェクト 252 を DHCP サーバー
IPPhone_DHCP
の設定および HTTP サーバーにバインドするには、以下のコマンドを入力します。system dhcp dhcp-options binding add dhcpname IPPhone_DHCP optionname httpserver(252) value ‘ConfigHttpSrvr=192.168.30.102’
パラメータ 値 説明 ConfigHttpServer 192.168.30.102 HTTP サーバーの IP アドレス。
SIP トラフィックに対応するように DHCP オプションを設定しました。