サーバーアクセスアシスタントを使用した DNAT ルールの追加
サーバーアクセスアシスタントを使用すると、内部サーバーへの受信トラフィックの宛先 NAT (DNAT) ルールを作成できます。
DNAT ルールは、(Web、メール、SSH、その他のサーバーやリモートデスクトップなどの) サーバー用に受信トラフィックを変換します。アシスタントによって、次のルールが自動的に作成されます。
- インバウンド NAT ルール: WAN ゾーンから内部サーバーにトラフィックを変換する DNAT ルールです。
- ループバック NAT ルール: 内部ユーザーからサーバーにトラフィックを変換する DNAT ルールです。
- アウトバウンド NAT ルール: サーバーからの発信トラフィックを変換する SNAT ルールです。これは、NATルール設定では再帰ルールと呼ばれます。
- ファイアウォールのルール: サーバーへのインバウンドトラフィックを許可します。
特定の設定が必要な場合には、後でこれらのルールを編集します。
制限事項
同じ DNS ホストのエントリに対して、DNAT ルールと重み付け負荷分散を両方設定することはできません。
サーバーアクセスアシスタントを使用する
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以下のいずれかの方法で、サーバーアクセスアシスタントを選択します。
- 「ルールとポリシー > NAT ルール」に移動し、「IPv4」または「IPv6」を選択して、「NAT ルールの追加」をクリックします。「サーバーアクセスアシスタント (DNAT)」を選択します。
- 「ルールとポリシー > ファイアウォールルール」に移動し、「IPv4」または「IPv6」を選択して、「ファイアウォールルールの追加」をクリックします。「サーバーアクセスアシスタント (DNAT)」を選択します。
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設定を指定します。
- 「ルールとポリシー > NAT ルール」に移動し、「IPv4」または「IPv6」を選択して、「NAT ルールの追加」をクリックします。
- 「ルールとポリシー > ファイアウォールルール」に移動し、「IPv4」または「IPv6」を選択して、「ファイアウォールルールの追加」をクリックします。
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「サーバーアクセスアシスタント (DNAT)」を選択します。
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「内部サーバー IP アドレス」に、ユーザーがアクセスする内部サーバーを指定します。以下のいずれかの方法を使用してください。
- サーバーの IP ホストを選択します。
- サーバーに割り当てる IP アドレスを入力します。
ユーザーが内部サーバーに到達できるインターフェースがチェックされ、そのインターフェースのゾーンが宛先ゾーンとして設定されます。ファイアウォールルールでは、これを宛先ゾーンとして使用してトラフィックの一致判定を行います。
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「パブリック IP アドレス」には、次のいずれかのオプションを使用します。
- パブリック IP アドレスの WAN インターフェイスまたは IP ホストを選択します。
- ネットワークのパブリック IP アドレスを入力します。
注
ループバック DNAT ルールを自動的に作成するには、パブリック IP アドレスではなくファイアウォールインターフェイスを選択します。
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「サービス」で、内部サーバーのサービス (ポートとプロトコルの組み合わせ) を選択します。
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「外部の送信元ネットワークとデバイス」に、ユーザーが内部サーバーにアクセスできる送信元ネットワークとデバイスを選択します。
注
内部ユーザーがサーバーにアクセスできるようにするには、「任意」を選択します。この設定は、ファイアウォールがループバック DNAT ルールを作成するために必要です。
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設定とルールを確認し、「保存して完了する」をクリックします。
アシスタントは、NAT ルールテーブルとファイアウォールルールテーブルの上部にルールを追加し、デフォルトでオンにします。
再帰ルール名とループバックルール名には、作成した DNAT ルールの名前とルール ID が含まれます。ファイアウォールルール名には、DNAT ルール名が含まれます。
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要件を満たすように、対応するルールテーブルで NAT ルールとファイアウォールルールの位置を変更します。
ファイアウォールは、トラフィックに一致するルールが見つかるまで、表示されている順序でルールを上から評価します。
ループバックルール
ファイアウォールは、次のオプションを選択した場合にのみ、内部トラフィックをサーバーに変換するループバック DNAT ルールを作成します。
- 「パブリック IP アドレス」を「WAN インターフェース」に設定します。パブリック IP アドレスを使用する場合、トラフィックは任意のインターフェースを介してファイアウォールに入り、DNAT ルールのインバウンドインターフェースは「任意」に設定されます。ループバックルールが自動的に作成された場合は、同じインバウンドインターフェース設定になります。
- 「外部送信元ネットワークとデバイス」を「任意」に設定します。WAN ゾーンと内部ゾーン内のネットワークがこれに含まれます。
DNAT ルールとループバックルールには同じトラフィック一致設定が適用され、ファイアウォールは最初にトラフィックと一致するルールを適用します。
サーバーアクセスアシスタントルールと手動 DNAT ルール
アシスタントが作成するルールは編集し、特定の設定を手動で選択することができます。サーバーアクセスアシスタントで作成したルールを手動で編集する必要がある場合の例を以下に示します。
- ファイアウォールは、アシスタントで設定した「送信元ネットワーク」と「サービス」は変換しません。「変換後の送信元」と「変換後のサービス」を
Original
に設定します。 - 「変換前の宛先」をエイリアス IP アドレスに設定すると、ファイアウォールはその物理インターフェイスを SNAT ルールおよびループバックルールで「変換後の送信元」として設定します。代わりにエイリアスアドレスを使用するには、エイリアスの IP ホストを作成し、 「変換後の送信元」として手動でそれを設定してください。
注
作成した NAT ルールの設定を変更した場合は、必要なファイアウォールルール設定を更新してください。
設定とオプションの比較
アシスタントを使用すると、すばやく簡単な構成が作成できます。DNAT ルールには、より多くのオプションが用意されており、より複雑な設定を指定できます。
次の表に、アシスタントの対応する手動設定を示します。
サーバーアクセスアシスタント | DNAT ルール (手動作成) |
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内部サーバー IP アドレス 単一の IP アドレスまたは IP ホストです。 | 変換後の宛先 IP アドレス、IP 範囲、IP リスト、またはネットワークです。 |
パブリック IP アドレス 単一の IP アドレス、IP ホスト、または任意のインターフェイスです。 | 変換前の宛先 任意のインターフェースまたはホスト (IP アドレス、IP リスト、IP 範囲、ネットワーク、国、 FQDN、MAC アドレス、または MAC リスト) です。 |
サービス 共通サービスとカスタムサービスです。事前にカスタムサービスを作成する必要があります。 ポート変換を設定するには、後でルールを編集し、「変換後のサービス」の下でサービスを選択します。 | 変換前のサービス 共通サービスとカスタムサービスです。ここでカスタムサービスを作成します。 |
外部の送信元ネットワークとデバイス 任意のホストです。 | 変換前のソース システムホストを含む任意のホストです。 |
その他のリソース