Synchronized User ID 認証
Synchronized User ID 認証では、セキュリティハートビートを使用して、エンドポイントユーザーの認証を行います。
Synchronized User ID は、ファイアウォールで認証サーバーとして設定された Active Directory (AD) でのみ機能します。現時点では、Windows 7 および Windows 10 に対応しています。サーバーやクライアントにエージェントは不要です。また、パスワード情報も共有・使用しません。Synchronized User ID は他のディレクトリサービスでは機能せず、ローカルユーザーを認識しません。Synchronized User ID では、ユーザーがサインインしたエンドポイントデバイスのドメインユーザーアカウント情報が、セキュリティハートビート経由で Sophos Firewall と共有されます。Sophos Firewall 側では、設定された AD サーバーに対してユーザーアカウントを照合し、ユーザーを有効化します。
Sophos Endpoint Protection は、Windows サインイン情報をファイアウォールに渡します。ファイアウォールは、この情報を使って、AD で認証を実行します。この認証に基づき、ファイアウォールのユーザーベースのポリシーが適用され、全般的なユーザー認証が行われます。
プロセス
Synchronized User ID 認証プロセスは以下のとおりです。
- ユーザーが、ドメインのアカウント情報、ユーザー名、パスワード、ドメイン名を使用して、Windows にサインインします。
- ファイアウォールのハートビートデーモンは、クライアントのハートビートステータスを、ドメイン名、ユーザー名とともに受信します。ドメイン名は、ユーザーの AD レコードの「ユーザープリンシパル名」(UPN) から、ユーザー名は、「sAMAccountName」から取得されます。
- ファイアウォール側では、ドメインに基づいてこのサインイン要求に対応する正しい AD サーバーをチェックし、ファイアウォールユーザーデータベースで正しいユーザー名を検索します。
- ハートビートデーモンは、ユーザーのサインイン要求を Active Directory サーバーに転送します。
- サインインしたユーザーは、ライブユーザーページに表示されます。
エンドポイントのハートビートが途切れたり、欠落している場合、ハートビートデーモンは、その Synchronized User ID を持つユーザーをサインアウトします。ただし、他のエンドポイント認証メカニズムが適用される場合があります。
要件
Synchronized User ID 認証が正しく動作するには、以下の条件を満たす必要があります。
- Sophos Central アカウントをファイアウォールと連携する。
- ファイアウォールをドメインコントローラに接続し、AD 認証を行えるようにする。
- Sophos Central アカウントのユーザープロファイルに一致させる。たとえば、Sophos Central Admin では、ファイアウォールおよび AD で使用されているメールアドレスを、ユーザープロファイルに含める必要があります。
- ファイアウォールのローカルユーザーの場合は、Sophos Central アカウントで定義されているのと同じメールアドレスを使用する。
- AD では、UPN のドメイン部分が、ファイアウォールで AD サーバー用に設定したドメインと正確に一致する。
Synchronized User ID 認証をオフにする
Synchronized User ID 認証は、デフォルトでオンになっています。オフにするには、次の手順を実行します。
- Advanced Shell にアクセスします。
-
以下のいずれかのコマンドを実行します:
- ファイアウォールの再起動後もオフにする:
touch /content/no_userid
- ファイアウォールが再起動するまでオフにする:
touch /tmp/no_userid
- ファイアウォールの再起動後もオフにする:
-
アクセスサーバーサービスを再起動するには、コマンド
service access_server:restart -ds nosync
を実行します。
警告
ステータスの変更はバックアップされません。バックアップを復元する場合は、再度オフにする必要があります。
Synchronized User ID 認証をオンにする
Synchronized User ID 認証をオンにするには、次の手順を実行します。
- Advanced Shell にアクセスします。
- この機能をオンにするには、コマンド
rm /content/no_userid
を実行します。 - アクセスサーバーサービスを再起動するには、コマンド
service access_server:restart -ds nosync
を実行します。
注
HA クラスタが設定されている場合は、HA クラスタの両方のデバイスで Synchronized User ID 認証のオン/オフを揃える必要があります。